2024.07.10

【法人向け】ソーラーカーポート補助金2024年度の情報|申請手順6ステップも紹介

「法人向けソーラーカーポート補助金の最新情報を知りたい」

「補助金申請の流れを知りたい」

このように、ソーラーカーポートの補助金活用についてお悩みではないでしょうか。

ソーラーカーポートは壁がない車庫の屋根に太陽光パネルを設置する発電システムで、商業施設など駐車場への導入が増えています。CO2排出量を削減できるほか、環境問題に取り組んでいる企業として分かりやすくPRできますが、導入費用が高く普及が進まない状況です。

本記事では、ソーラーカーポートの導入に利用できる補助金の2024年の最新情報を紹介します。申請の手順や注意点も解説していますので、ソーラーカーポート導入検討の参考にしてください。

エコラボにソーラーカーポート導入を相談する

環境省による法人向けソーラーカーポートの補助金|2024年度版

ソーラーカーポートを設置する際の導入費用が支援される法人向けの補助金は、2つあります。

  • 新たな手法による再エネ導入・価格低減促進事業
  • ストレージパリティの達成に向けた太陽光発電設備等の価格低減促進事業

補助金の交付額や条件など詳しく説明しますので、導入するソーラーカーポートの初期費用に利用できるかチェックしてみてください。

新たな手法による再エネ導入・価格低減促進事業

ソーラーカーポートや蓄電池を駐車場に導入する費用を支援する補助金で、環境省が推進しています。導入支援によって再生可能エネルギーを主力化し、災害に強いインフラ環境の整備を促進することが目的です。

対象事業の要件

  1. 発電した電気の50%以上を敷地内で自家消費すること
  2. 支援を受けた後の導入費用が、以下表のコスト要件を下回ること

出典:公募概要|一般社団法人環境技術普及促進協会

  1. パワーコンディショナ(以下、パワコン)の定格出力の合計が5kW以上かつ、積載率が1以上であること

※積載率=太陽光パネルの容量÷パワコンの定格出力合計

  1. 停電時にソーラーカーポートの電気を使用できること
  2. 余剰電力を売電する際、電力量に応じた環境価値が需要家に帰属されること
  3. FIT・FIP制度を利用しないこと
  4. 遠隔地にある自社施設で発電した電気を使用しないこと

補助対象設備

  • 太陽光発電一体型カーポート(ソーラーカーポート)
  • 太陽光発電搭載型カーポート
  • 太陽光発電設備の受変電設備
  • 定置用蓄電池

補助金の交付額

補助対象経費の3分の1

公募実施期間

  • 一次公募:2024年5月21日に終了
  • 二次公募:2024年6月18日~同年7月16日の正午まで

補助金の交付を申請できる人

給付対象は民間企業など以下図表に示す法人等で、ソーラーカーポートの導入に必要な経営基盤があり、事業の継続性がある団体に限られます。

出典:公募概要|一般社団法人環境技術普及促進協会

補助対象事業の選定

以下6つの項目で評価され、補助金が給付されるかどうかが決まります。

  • 補助金事業の目的に合致したソーラーカーポート導入計画で、実現可能な内容か
  • ソーラーカーポートの導入に必要な資金力の有無
  • ソーラーカーポート導入によるCO2削減効果の高さ
  • 自家消費率の高さ
  • 定置用蓄電池を導入する場合、災害時に地域へ電力を供給できるか
  • 以下のいずれかに該当する法人か

出典:公募概要|一般社団法人環境技術普及促進協会

留意事項

  • 複数の法人が共同で事業を実施する場合、補助金を申請できるのは代表者のみ
  • 代表者以外の共同事業者も、補助金の交付を申請できる条件を満たしていること
  • 補助金事業を通じて得た情報を、環境省が公表することに同意していること
  • ソーラーカーポートの設置場所が土砂災害警戒区域または洪水浸水想定区域に該当する場合、設備を保全するための対策措置を講じること
  • 交付決定後、2025年1月31日までにソーラーカーポート導入を完了させること

ストレージパリティの達成に向けた太陽光発電設備等の価格低減促進事業

設置済みのカーポートに後付けで太陽光パネルを搭載する場合に利用できる補助金です。自家消費型太陽光発電と蓄電池を導入する際の初期費用が支援されます。ストレージパリティの達成による再生可能エネルギー導入促進と防災対策の強化が、本事業の目的です。

ストレージパリティの意味は、太陽光発電と併せて蓄電池を導入したほうが、しない場合よりも経済的なメリットが大きい状態です。

対象事業の要件

  1. 容量10kW以上の太陽光発電と定格容量17.76kWh以上の定置用蓄電池をセットで導入すること
  2. 発電した電気を敷地内で自家消費すること
  3. FIT・FIP制度を利用しないこと
  4. 遠隔地にある自社施設で発電した電気を使用しないこと
  5. オンサイトPPAまたはリースの場合、補助対象設備の法定耐用年数が終了するまでに、需要家とPPAまたはリース事業者との契約で、補助金額の5分の4以上が各料金の低減などで需要家に還元される内容になっていること

※太陽光発電の法定耐用年数:17年

※定置用蓄電池の法定耐用年数:6年

参照:主な減価償却資産の耐用年数表|国税庁

  1. 供給された電力量に応じた環境価値が需要家に帰属されること
  2. オンサイトPPAまたはリースの場合、補助金交付時に需要家と事業者が確定していること
  3. 太陽光発電の導入に関する関係法令や条例を遵守すること
  4. 補助対象設備の法定耐用年数が経過するまで、J-クレジット制度に登録しないこと
  5. CO2排出量を削減できること
  6. 太陽光発電の導入に必要な資金を有しているまたは調達できること
  7. 太陽光発電導入の管理体制が構築されていること
  8. ほかの補助金を併用しないこと
  9. 太陽光発電の導入にあたり許認可や権利関係の調整が問題なく進められること

補助対象設備

  • 自家消費型太陽光発電
  • 定置用蓄電池

補助金の交付額

【太陽光発電】

  • PPA/リース:5万円/kW
  • 購入:4万円/kW

【蓄電池】

  • 4万円/kW

公募実施期間

一次公募:2024年5月24日に終了

※本記事執筆時点の2024年6月現在、二次公募の有無は未定

補助金の交付を申請できる人

日本国内で事業を営んでいる、以下の法人・団体が対象です。

出典:公募要領|一般財団法人 環境イノベーション情報機構 (EIC)

補助対象事業の選定

公募期間内に申請された書類は、以下の要件を満たしているか審査されます。

  • 補助金の要件①~④
  • 補助事業の期間
  • 補助金の交付額の算定方法

公募要領に記載されている要件を満たしている事業が、補助金交付の対象です。

法人向けソーラーカーポート補助金の申請から交付までの6ステップ

ソーラーカーポートの補助金を活用する際の申請の手順は、以下のとおりです。

  1. 公募期間内に申し込み
  2. 申し込み内容の審査と採択
  3. 交付申請書を作成・提出
  4. ソーラーカーポート設置と完了報告書を作成・提出
  5. 補助金の交付
  6. 事業報告書を作成・提出

1ステップごとに対応する内容を説明しますので、補助金を活用する際の参考にしてください。

ステップ1:公募期間内に申し込み

ソーラーカーポートの導入計画を立て、公募要領に従って申請書類を作成します。公募期間内に指定された方法で、書類を提出すれば申し込み完了です。

ステップ2:申し込み内容の審査と採択

申請された書類は全て審査され、補助金の交付が適切か採択されます。ソーラーカーポート補助金の採択結果が通知される目安は、公募終了から2ヶ月程度です。

ステップ3:交付申請書を作成・提出

補助金の給付対象に選ばれた場合、交付を申請するための書類作成が必要です。交付申請書の提出後にも審査があり、問題なければ1ヶ月程度で補助金の給付が決定します。

ステップ4:ソーラーカーポート設置と完了報告書を作成・提出

補助金が給付されることが確定したら、ソーラーカーポートの導入を進められます。事業ごとに工事完了の期限が異なるため、公募要領で期日の確認が必要です。ソーラーカーポートの設置が完工し、工事業者への支払いを済ませた上で、期限内に完了報告書を作成・提出します。

ステップ5:補助金の交付

完了報告書の内容が審査され、問題なければ交付額確定通知書が発行されます。通知額に従い精算払請求書を発行・提出後、補助金が支払われます。

ステップ6:事業報告書を作成・提出

補助金の交付を受けた事業者は翌年度から3年間、環境大臣に年度ごとのCO2削減効果に関する事業報告書の提出が必要です。提出した書類は3年間の保存が義務付けられています。

ソーラーカーポートの補助金申請に失敗しないためのポイント3選

補助金の申請手続きで失敗しないためのポイントは、以下の3つです。

  • 書類作成や手続きに不備がないよう留意する
  • 公募が開始されたら早めに申し込む
  • ソーラーカーポートの補助金に詳しい業者に相談する

何に注意するのか具体的に説明しますので、補助金を確実に給付できるよう参考にしてください。

書類作成や手続きに不備がないよう留意する

申請に必要な書類や手続きでは、ミスがないようにしましょう。1回の申請で作成する書類は、大きく分けて7種類以上あります。書類には発電設備の詳しい情報など専門知識が必要な項目も含まれるため、間違える可能性がゼロではありません。

書類のほか、会社概要パンフレットや名刺などの写しの提出も求められます。手続きや書類に不備があると補助金が給付されない可能性があるため、念入りにチェックしてミスしないような対策が重要です。

公募が開始されたら早めに申し込む

補助金の募集期間になったら可能な限り早めに申し込みするのも、失敗しないためのポイントです。一般的に補助金の公募期間は、1ヶ月程度で終了します。締め切り厳守で申し込まないと、補助金は給付されません。さらに、予算の上限に達したら公募期間内であっても募集終了となるため、早めの申請をおすすめします。

ソーラーカーポートの補助金に詳しい業者に相談する

補助金に精通している業者からソーラーカーポートを購入することも、補助金で失敗しないために重要です。ソーラーカーポートの補助金に詳しい業者なら、申請手続きにおいて不備になりやすい箇所を把握しています。補助金について熟知している業者に書類作成を代行してもらえれば、スムーズに申請手続きが進められるでしょう。

法人向けソーラーカーポート導入費用の相場と補助金の効果

補助金を活用するとソーラーカーポートの導入費用がどれくらい変わるのか、以下2つの項目に分けて説明します。

  • ソーラーカーポート導入費用の目安
  • 補助金が交付された後の実際の負担額

順に見ていきましょう。

ソーラーカーポート導入費用の目安

過去に補助金を活用してソーラーカーポートを導入した事例から算出した初期費用の平均額は、以下のとおりです。

  • パワコンの定格出力1kWあたり65万円

設置するソーラーカーポートの規模感や、導入場所の条件などにより実際の費用は異なります。詳細な費用を確認されたい場合は、エコラボにご相談ください。

お問い合わせはこちら

参照:ソーラーカーポート等の新たな自家消費型太陽光等の導入支援事業に関する優良事例|環境省

補助金が交付された後の実際の負担額

パワコンの定格出力が200kWのソーラーカーポートを導入する場合、平均的な初期費用は約13,057万円です。新たな手法による再エネ導入・価格低減促進事業で補助金の交付を受ける場合、費用の1/3が給付されます。

これらの条件を基に計算した、補助額と実際の負担額は以下のとおりです。

  • 補助額:13,057万円×1/3=4,352万円
  • 負担額:13,057万円×2/3=8,704万円

費用の1/3が支援されることで負担額を大きく軽減できることから、補助金の活用は支出を抑えるために有効と言えます。

まとめ|ソーラーカーポートは補助金の活用で設備投資費を抑えて導入できる

ソーラーカーポートの補助金で2024年度も実施されている事業は、以下の2つです。

  • 新たな手法による再エネ導入・価格低減促進事業
  • ストレージパリティの達成に向けた太陽光発電設備等の価格低減促進事業

どちらも、一次公募は5月で終了しています。しかし、一次公募で予算を満額使い切らなかった場合は、二次公募があります。また、例年でいくと11〜12月に補正予算が閣議決定し、2025年春先までの間に追加公募が始まる見込みです。

次の公募を見逃さずに申請できれば、2024年度中に補助金を活用してソーラーカーポートを導入できるでしょう。

補助金を活用したソーラーカーポートの導入は、施工からメンテナンスまで一貫対応できるエコラボにご相談ください。

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